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2019-10

孵化前

『トランスフォーマー2』『ハンコック』『アイアムレジェンド』『アイアンマン』『AVP2』……近所のGEOが「旧作100円セール」をやっているので微妙な新古作品ばかり見ている。昨日は『スターシップ・トゥルーパーズ2』を。これは04年日本公開なので新古とは言い難いか。VFXの大御所フィル・ティペットが監督。初監督作品だそうな。一作目の「バグ対人間」の惑星間戦争的な大掛かりな設定から、『エイリアン』みたいな密室クリチャーものに変更。うーん、低予算を感じさせる。クリチャー表現は一作目ほどの衝撃はなし。ストーリーはちょっと展開が速いというか、消化不良気味のように感じたけど、最後まで見ると一作目同様皮肉が効いておりまずまず。飽きなかったし、『3』も視るとするか。

 本日は午前中に家事をしながら長めの原稿をあげる。そして息抜きと買い物のために午後から赤羽に出る。mp3プレイヤーからはトン・ゼーのメカニカルな反復吃音ボッサ。意想外に前衛性は感じない。ボッサの範疇に収まる。もちろんそれは肯定的な意味だ。ここら辺の説明で言葉が饒舌流暢に流れ出(いず)るとき、それ即ちトロピカーリアを聴き込んだ時、ということになるのだろう。

 買い物を済ませてから駅前の老舗喫茶店に潜り込む。コーヒーを啜りながら村上春樹訳のレイモンド・チャンドラー『ロング・グッバイ』軽装版。ここのところ小説は古川日出男の長編ばかり読んでいたので、すこし軽いものも読みたくなり。とは言え、解説も含めると700頁もあるか……。学生時代読んだ作品だし、本筋ではない細部の描写を味わってみようと思う。

 赤羽を出てからは、真野恵里菜のアルバムではなくシングルを年代順に聴きながら、北赤羽~浮間舟渡を通って志村坂上の自宅へ。一枚のアルバムの中で歌手として孵化の様子を見事に演じた彼女の『Friends』は傑作であるとは思うけれど、今暫くはインディーズ・シングルや「水色想い」「ジャスミンティー」の恥らいを含んだモノクロームな世界を味わいたい気分。

サウンドトラック/ガー4「Going On!」/カエターノ

○古川日出男『サウンドトラック』読了。
 物語への意思に驚嘆。「まばたき一回のあいだに父親は視界から消えていた。」。冒頭の一文から引き込まれる。この小説の執筆には途方もない量の労働が投入されているはずだが、息切れすることなく最後まで物語ることに成功している。この重層的な物語には、安易なカタルシスに回収されてしまう生の謳歌も人生応援歌もスリルもサスペンスも存在しない。親なし子たちによる破壊への意思、滅亡の儀式が淡々と延々と執拗に描写されているだけだ。けれど、その丹念で暴力的な描写はとてもとても切実で誠実な性質のものだと思う。途方もない労働と切実で誠実な作業。つまり、これは読者に勇気を与える滅びの物語なのだ。

○ガーディアンズ4「Going On! 」聞きました。
 エレポップ・テイストやや多めのアイドル・ソング。Bメロにキャンディーズ節っぽいのが入ってるかな? バックトラックはベースがうねって気持ちいいね。しかしトータルでは過不足なさすぎでアイドル・ポップスとしての面白みを感じない。歌詞もフックなし。初聴、二聴で想起したり口ずさむ箇所はなかった。前作「PARTY TIME」が佳作だっただけにやや残念。




○カエターノ・ヴェローゾを聴き直しています。
 やはりとんでもない巨人ですね、この人。時代に即応してスタイルを頻繁に変えつつ質は落とさない、どころか年々あげて来てる。多作なのに駄作がひとつもない。音楽怪物。ある程度時間をかけて聴き込むつもりです。40枚組BOX SET欲しいっ!


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S/mileage感想

福田花音がなぜか気になるので、S/mileageをちゃんと聴いてみました。気に入ったのは2nd。1stは何度聴いても良くない。3rdはまぁまぁですね。2ndのかんたんレビューをしておきます。メジャー・デビュー前なので路線不統一なのはしようがないのかな。

「あすはデートなのに、今すぐ声が聞きたい」

第二期タンポポを髣髴とさせるハロプロ・ブリティッシュ・ポップ路線の秀作と感じました。ハロプロ・ブリティッシュと言えば永井ルイでしょう。サイケ期ビートルズ~クィーン~ELOを踏襲したポップ・サウンド・クリエイター。その万華鏡のような煌びやかな音色のポップ・サウンドは、ハロプロにおいても一聴で彼の作品と分かるクォリティの高い作品ばかりで、アイドルとは無縁の音楽ファンをもハロプロに導く役目を果たしていた時期もあったと思います。三期タンポポ「恋のやじろべぇ」以降ハロプロとはとんと御無沙汰のようですが。

一方、本作のアレンジはAKIRA。通好みのエクスペリメンタルなR&Bをハロプロ作品に持ち込んでいるクリエイターです。シングルカットでのセールス的なスマッシュ・ヒットこそないものの、ハロプロ~つんく系では比較的コンスタントに起用されており、ファンからの評価も高いようです。個人的には、モーニング娘。「通学列車」、「あこがれMY BOY」、ROMANS「ロマン」、松浦亜弥「待ち合わせ」「涙のわけ」等の諸作を想起します(古いね、どうも)。永井ルイのバンド・サウンドとは異なり、AKIRAサウンドはR&B系の打ち込み反復ビートをベースに据えており、メロディラインは強引ながら小気味良い転調を多用することが特徴ですね。音色は全篇にわたってハープシコードをまぶしてキラキラ感を放射し、サビ近辺で疾走感を纏ったベル系の音を重宝していることが多いように記憶しています。複雑だけれどダンサブルなリズムトラックと、力技の転調に“AKIRA節”的な個性を感じます。ただし、本作ではエクスペリメンタルな部分はやや影を潜め、煌びやかさと浮遊感を漂わせるブリティッシュ系ポップ・サウンドのニュアンスを前面に押し出しています。

歌詞は、初期タン(「乙女パスタに感動」「恋をしちゃいました!」)を髣髴とさせる、少女のはじめての恋愛に対する欲望(トキメキ)を肯定/謳歌する世界観ですが、最近触れた三浦徳子による真野作品と比べると、つんく♂色の非常に色濃い詩世界であることが明瞭に分かります(つんく曰く「初恋ソング」)。恋愛に対する視線が、真野の三浦徳子作品におけるそれと全く異なるんですね。欲望の横溢に違和感を覚えてしまう内在的生理としての少女の恋愛(「特別な領域」)ではなく、トキメキ/欲望の横溢を全的に肯定する物語としての少女恋愛(「恋をしちゃいました!」「早くあいたい」)がここでは描き出されています。自分が自分でなくなる恋という現象に対して、違和感と不安を覚えるか、それとも無邪気に肯定するかの違いですね。もちろんこれは良し悪しではなく、方向性の違いを指摘しているに過ぎません。こうした客観的、外在的視線からの少女の恋愛は男性にも描けるし、むしろストーリーを盛り上げたり、小道具などを絡めて描く際には、男性の方が向いているのかもしれないと感じました。

本作は、AKIRAの作った煌びやかなポップ・サウンドにのせて、S/mileageの舌足らずなボーカルが、少女のトキメキ/欲望を無邪気に謳歌する佳作だと感じました。初恋へのトキメキ背伸び感が歌唱においてもよく出ていると思います。本来ならS/mileageのボーカル、ハーモニーの特徴にも触れなければいけませんが、不勉強なもので……今後の課題にしたいと思います。


▲まだ名前と顔が完全一致していません……現場行ってないからなぁ


ぁまのじゃく

▲1st。あまり気に入りませんでした。何をやりたかったのかな?

スキちゃん

▲3rd。まぁまぁですかね。二人称「キミ」のポップンロール。


▲名曲名演。これもAKIRA。


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真野恵里菜「Love & Peace = パラダイス」レビュー

躍動するストリングスから始まり、呪文風フレーズが印象的な多幸感に満ちたエレポップ風作品。これまでの真野作品で特徴的だった松田聖子出現前後のアーリー80'Sアイドル・ポップス・テイストは影を潜め、ニュー・ウェイヴが人口に膾炙した80年代中盤以降の音作りを志向しているようだ。

横溢する無闇矢鱈な幸福感という点で言えば、“つんくワールド”に近似しているとは言えるかもしれないが、筆者が真野に見出していた、“恋する自分を持て余す”切なくて幼気(いたいけ)な世界=“セツナ・イタイケ系”の成分は残念なことに今回ぐっと減量。率直に言って、筆者はこの作品を真野が歌う必然性を感じない。内在的ヲタさんの耳からすれば、真野の歌唱力、歌唱法などの微細な変化、進化を把捉し、それら断片を逐一寿ぐことができる(それがヲタの醍醐味ですな)のだろうが、筆者はパンピーに近い単なる元ヲタなので、飽く迄録音物勝負の立場で評価しており、初手から絶賛という姿勢ではないことはご寛恕いを乞いたい。

おそらく本作最大の売りであろう「パラピプルルン ラララン」という脳天気なオノマトペ風歌詞もいまひとつ説得力に欠け、効果的とは言い難い。なによりそのフレーズを即座に復唱したくならないからだ。こうした動物化された呪文をキメ手に持ってくるということは、当事者である思春期の女の子に恋の多幸感・快楽を何の衒いもなく謳歌させることが本作の狙いだったのだろう。しかし、その狙いに本作の真野の歌唱はうまく嵌らなかったように思う(私見だが、00年代のアイドル・ポップスにおいてそれが可能であったのは初期松浦亜弥だけではないか? 特に“何の衒いもなく”という点において)。筆者は“恋する自分に慄いている”真野をもう一度見たい! 聴きたい!! 

c/wは特になし。高橋諭一仕事ですね。オブラディ・オブラダ+レゲェ。


▲すいません、PVで真野の振りを見ながら聴くと上記の評価は辛口だったかなぁとも思います。可愛いっすね。



▲冬+幼気だと、こんな流れになりますね。


▲そんでこの曲に移行します。自分で作った道重リミックス使います。


▲とどめっすね。MOTTOいい曲、使いやすい曲あったはずですけど、DJとんとご無沙汰なので。

世界はサマー・パーティー メモ


▲ハロプロ・ナンバーのメイン・フォーマットのひとつ、シュープリームス「You Can't Hurry Love」系
モータウン・ビートの一作。なかでも、カン娘。「女の子取り調べタイム」に酷似していると思うが、非つんく作品。
個人的な好みを言わせてもらえば、真野恵里菜楽曲中でのランクは高くない。しかし、佳作ではある。
以下、つんく♂・ハロプロ系のモータウン・テイスト作を軽く振り返ってみよう。
(ちゃんと調べればもっと出てくると思う。ご教示お願いします)





プッチモニ「負けない負けたくない」。二期プッチ有終の美を飾った曲。


カントリー娘。「女の子取り調べタイム」。カン娘。1stアルバム収録の佳作。



▲藤本美貴「駅前の大ハプニング」。ライブでの出来不出来が激しかった藤本さん。
喉をすぐ潰していたなぁ……



▲キャナァーリ倶楽部「ニシキカザレ」。まぁ、いいんじゃないでしょうか?



▲Buono!「Cafe Buono! 」ユニットのコンセプト上ロック色が強いが、上手く消化できている。
非つんく作品。鈴木愛理大きくなったなぁ……あぁ!



おまけ。つんくモータウンはここからすかね? こんなんも普通版と特装版二種類買ってたなぁ。

* とちさんのご指摘に従い、記事を修正しておきました。どうもありがとうございます。

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プロフィール

vivahiko

Author:vivahiko
横浜市出身。法政大学文学部哲学科卒業。既婚。一男一女に恵まれる。かつて人文科学系/サブカル系書籍編集者にして、モーヲタ(モーニング娘。ヲタク)でした。ここでは主にハロプロを中心とするアイドル音楽批評を書き連ねてみたいかと。
twitter:http://twitter.com/vivahiko

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