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2019-08

ロバート・アルトマン監督『ロング・グッバイ』のこと

 レイモンド・チャンドラー『ロング・グッバイ』を再読しつつ、どうしても引っかかっていたことがあった。

 それはなにも文学的なことではなく、件の小説の映画化作品、つまりロバート・アルトマンが監督した『ロング・グッバイ』をかつて見たかどうか思い出せなくなったのだ。映画のシーンが1ミリも思い出せない。集中して記憶を点検してみたが、頭の中には何の手がかりもない。と言うのは昔の友人の中には熱狂的なアルトマン・ファンも何人かいたので、見たと言うか、見せられたはずなのだ。映画館に一緒に行ったり、ビデオを貸してもらったり。さらには仕事の関係でアルトマンを見なければならない時期もあった(結局それは仕事にはならなかったが)。

 だ・か・ら、俺は当時の時点で日本に紹介されたアルトマン作品はほとんど見てるはず。はず、なのだ。状況証拠的には。
 し・か・し、『ロング・グッバイ』はあまりに何も思い出せない。どうしても思い出せない。著名な小説の映画化なのに。
 フィリップ・マーロウって誰が演(や)ったの? 配役はもちろん、ポスターやビデオのイメージも思い出せない。『M★A★S★H』(サントラ買った)や『ポパイ』は覚えてるんだが……。、実は見てないのかも? と訝しがる。

 基本的には打ち捨ててもこれからの人生にまったく影響も与えない些事でしかないのだが、なんとなく気持ち悪くなって検証したくなった。そこでYOUTUBEで『ロング・グッバイ』のトレーラーを探して確認することに。トレーラーはサクっと出てきた。そいつを確認して、やはりかつて見たことを思い出した。覚えているシーンがあったのだ。疑問はアッサリかいけつしてしまった。しかし、特別な感慨もなかったので、かつて見た時に面白くなかったんだろうと思う。

 これは誰にでもあることだろうけど、俺は映画が面白くないと鑑賞集中力が著しく減退し、ほとんどゼロになる。そしてそのゼロさ加減には非常に自信がある。群を抜いているのではないかと思う。映像が網膜上を通過しているだけで、全く別のことを考えているか、何も考えていないか(すなわち睡眠)に二分化する。ある意味では「悟り」に近いかもしれない。その二分化への沸点が非常に低いと思うのだ。

 そう、映画ってほんとうに覚えてない。

 もともと映画は見ない口なので、ある意味では当然なんだろうが、シネフィルな人たちが振りかざす「映画的記憶」みたいな感性は、俺の場合ゼロだ。関心がないから知識がない。その逆もしかり。貧弱な経験はおしなべて鑑賞直後に過去へと押し戻され、忘却が忘却される。いつまでも純白。まっさらのまっさら。

 シネフィルに憧れて、「今年は最低200本は映画見るぞ!」なんて決心した事もあるけれど、それらはすべてダイエットと同じ運命を辿った。そして、そんな非文化的感性しか持っていないことに焦燥や恥辱を感じる年齢は疾うに過ぎた。逆に、一つの作品で二度楽しめるとか、見るたびに全く違う見方ができるとか、映画痴呆症としての――シネフィルには無理な――新しい感性があるのでは? などと妄想しているが、いかがなものだろうか。




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vivahiko

Author:vivahiko
横浜市出身。法政大学文学部哲学科卒業。既婚。一男一女に恵まれる。かつて人文科学系/サブカル系書籍編集者にして、モーヲタ(モーニング娘。ヲタク)でした。ここでは主にハロプロを中心とするアイドル音楽批評を書き連ねてみたいかと。
twitter:http://twitter.com/vivahiko

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